新しい投資のスタイルとして話題になっているのが、FIRE(ファイア)です。
「寝ていても毎月の生活費を手に入れることができる」
そんな夢のような話に多くの働く人から関心が集まっています。
今回は、サラリーマンはFIREを成功させることができるのか?にポイントを当ててみました。
わたしも投資の経験は10年以上あります。でもFIREは難しい…、そんなふうに考えてしまうほど難題です。
夢のようなFIRE生活を成功させるための思考方法と意外な落とし穴とは?
現代人はなぜFIREに憧れるのか?
ここ数年、話題になっている投資方法FIRE。
まず、FIREという単語を初めて聞く人に説明します。
Financial Independence, Retire Early
略して、FIRE
経済的に自立し、早期リタイアを実現する「FIRE(ファイア:Financial Independence, Retire Early)」が20~40代の社会人に注目されています。
「FIREはだれでも目指すことができる」
こういうところからも新しい生活スタイルの一部
「毎月の生活費を株の配当でゲットする」ということです。
一体、どんな人から注目されているのか?特にサラリーマンからの関心が集まっているそうです。
給料も上がらない、賞与も期待できない、年金生活も不安でしょうがない。そんな不安を抱えた人からすれば最高の収入ですよね。
他にも、FIREを目指している人は何十年の投資経験者から初心者までと様々になります。
現代人はなぜFIREという投資スタイルに憧れるのでしょうか?
新しい生き方ができるFIRE。投資本・雑誌に影響されている
投資関係の本や雑誌を開いてみると、FIREという単語が出てきます。
そして決まって書いてあるのが、「○○歳でセミリタイア!誰でもできるFIRE投資」というセリフです。
おこづかいも少なくて欲しいものも我慢している人にしたら、まるで魔法の呪文のような響きです。
「わたしでもできるかな?」「おこづかいが少ない、僕にもチャンスが…」「誰にでもできるの!?」
そんなワクワク感をうまく引き出しているメディアに多くの人が魅了されているのかもしれません。
もうひとつの財布が欲しい!副業として最高のFIRE収入
「もうひとつ収入があったら」
誰もが思うことですが、だからといって副業に乗り出せる人は少ないでしょう。
副業をする時間や体力がない、家に小さな子供がいる、会社に副業を禁じられている。
そんな理由から、「ほとんど手を加えなくてもOK&スマホでも投資できる」FIREが注目されているといってもいいでしょう。
高配当の銘柄を買ってしまえば、あとは権利月を待っていればいいだけの話です。
おこづかいを増やしたい、たまには贅沢な時間を過ごしたい、働かなくてもお金が入ってくるという優越感に浸りたい。
毎月のおこづかいが数万円アップするだけでもうらやましいのに、生活費が入ってくるとなると夢のようです。
ギスギスした生き方はもうイヤだ。少しでもゆとりのある生活がしたい
現代人の悩み、「会社に依存したくない」というのもFIREに憧れてしまう理由になっています。
「このままの人生でいいのか?他にやりたいことはないのか?」
そんな自問自答にFIREの収入が手助けをしてくれるといってもいいでしょう。
FIREを目指している人の夢や目標はこうなっています。
FIREが成功したら何をしてみたいですか?
- 働くことを止めたい、会社に使われたくない…30代 男性
- 毎日、オンラインゲームをして過ごしていたい…20代 男性
- FIREからの収入をうまく使って気ままな生活…40代 男性
- FIREはあくまで副収入、アイドルの追っかけ費用に…30代 女性
- ずっとこのままシングル生活をおだやかに…40代 女性
「働くことを止めて気ままで自由な生活をしたい」というところに意見が集中しています。
現代人はストレスも多いため「自由」という言葉に惹かれてしまうのでしょうか?
そんなことも手伝って、FIRE生活が大きな憧れの的になっています。
サラリーマンがFIREを成功させる思考方法とは?
働く人の憧れFIRE、さてどれぐらいの人が成功するのでしょうか?
わたしの考えでは、普通のサラリーマンがFIREを成功できる確率はかなり少ないと考えています。
それはなぜなのか?
軌道に乗ってしまえばあとは楽チンなのですが、そこまでの距離がはるかに遠いからです。
成功させるには贅沢無用、節約と質素な生活、好きな趣味を手放すといろいろあります。どうでしょうか?考えても気が遠くなりそうです。
これから紹介する難題がクリアできるならFIRE生活にグッと近づいたともいえますよ。
節約と質素な暮らしを長く我慢することはできるか?
FIREの基本的な考え方に、「出費は極力抑える」というものがあります。
余ったお金を投資に使った方が、早くFIREを成功させることができるということです。
ただ、この節約と質素な生活がかなり難しいもの。理由は大きなストレスになってしまうからです。
周りの人たちが飲みに行くのに自分は不参加、ずっと続けていた趣味を手放してしまう。晩酌のお酒とつまみをゼロに。我慢できますか?
おこづかいや給料の余り数万~数十万円のほとんど投資へ回す。
このポイントがFIREを成功させることができる分かれ道といってもいいでしょう。
しかし、成功させるためには歯を食いしばって節約と質素な生活をしなければいけません。
投資先を選ぶときには慎重に。投資経験を先に積んでおくべき必要性
FIREを成功させるためには、「配当が高い」銘柄を選ばなくてはいけません。
「FIRE生活をしてみたいから投資を始めた」そんな初心者にとって銘柄選びや暴落時の判断は難しいものになります。
例えば、この銘柄を持っていれば半年に1万円の配当があるとします。
それをいくつも持っていれば数万円になるということですが…、元本割れを起こしたときあなたはどう判断しますか?
売る、売って買い直す、その銘柄を買い増す、他の銘柄の検討、初心者にあることで「狼狽売り」と行動パターンはいくつもあります。
「この銘柄とあの銘柄」と初心者が知識を持たずに株を始めるというのは…、最初から失敗を意味します。
儲けだ、配当だ!という前に知識と経験を積んでおくことはかなり重要です。
投資の経験がゼロ!パートナーを納得させることが難しい
独身の人なら問題はありませんが、既婚者になると話は別です。
「貯金や余った生活費を投資に回す」ということに納得してくれるでしょうか?
「OK!夫婦で頑張ろう」という人もいれば、「投資って確実性がないから怖い」という人もいます。
投資の経験がゼロだと、株式投資にいい顔をしないのが一般的です。
日本人は貯蓄が好きな国民性というのはご存知の通りですが、投資リテラシーは海外の人に比べてもあまりに少なくなっています。
そのパートナーを説得して投資をすること…、これが大きな難題になってくることは間違いありません。
我が家も妻の反対意見に押し切られたぐらいです、あなたの家庭は大丈夫でしょうか?
FIREが成功したらあなたはどうする?早期退職という考え方は間違っていないのか
ここで、質問です。FIREに成功したら夢や目標はありますか?
どうしても、「毎月決まった金額が働かなくても入ってくる」となるとダラダラした生活をイメージしてしまいがちですよね。
そのダラダラした生活をずっと続けられるか?たまには買い物や贅沢品、ごちそうも食べたくなるのが人間です。
そうなると株の配当で生活ができても、今までと同じような生活ができるのでしょうか?
FIREを目指して早期退職という考え方は本当に正しい?を検証してみます。
20~40代という貴重な時間を無駄に使わないように考えてみる必要があります。
そもそも「早期退職」という考え方が間違っていると感じる
FIREが成功したら自由な生活が送ることができる。
これを目指してFIREや投資をしている人がほとんどでしょう。
ただ、早期退職をするのはいかがなものか?とわたしは考えています。
30歳でFIREに成功して、あとの人生を自由に!なんてエネルギッシュな時間の無駄遣いではないでしょうか?
若いときに、俗世から離れてしまうのは考えものです。
年金生活みたいな時間を送るのは、もっと後でもいいのではないでしょうか?
高齢者みたいな生活を何十年も送ることって、若者がすることではないような気もしますが…。
夢の早期退職が実現に!それから毎日何をするの?
「これから生活費が働かなくても入ってくる!」
とうとう夢の不労所得生活の始まりですが…、これからあなたは何をしていくつもりですか?
労働を止めて旅に出る、朝から晩まで自由な生活、趣味に没頭する人生を送る。
例として上げたものは、仕事や日常生活があるからこそ楽しく感じるものです。
毎日ゴロゴロできますか?旅行に行きっぱなしって楽しいですか?時間を持て余すというのは苦痛に感じませんか?
これがFIREの落とし穴というわけです。
確かに仕事は楽しくないかもしれないし、ストレスが溜まるものでしょう。だからこそ、自分へのごほうびがより良くなるというものです。
FIREを成功させたあとも、毎月決まった収入のみなのです。節約や質素な生活になるのは間違いありません。
贅沢な生活を送りたいのなら、本業+FIREの収入という2つの財布を持つことが望ましいでしょう。
生活費を全部稼ごうというのは間違い。おこづかい程度がピッタリ!?
「生活費が月に15~20万円をFIREで稼ぐ」(一人分の生活費としての目安です)
これを夢見て投資に励んでいますが、果たしてこれは成功できるのか?ということです。
20万円を投資で稼ごうと思えば何とかできますが、毎月コンスタンスに一定のお金が入ってくるとなると難易度がアップします。
3,000万の資金で5%の利回りだと年間で約120万円の収入になります。(税金を引いた額になります)
パートナーにも協力してもらえない人が、この3,000万円を捻出することはあまりにも不可能な話です。
月に1~3万円のおこづかいをFIREで稼ごうとするのもなかなか難しいもの。
ここで、発想の転換をしてみませんか?毎月の生活費ではなく、「数万円のおこづかい」を稼ぐにしてはどうでしょう?
これで、ハードルはグッと下がり成功する可能性も大きくなります。
「今月は家族で焼肉が食べれるお金が入ってきた」
そんなふうに、ハードルを下げてみるのも新しいFIREの考え方になり、長続きする理由になります。
まとめ
働く人たちの憧れFIRE、成功できるのなら何ともうらやましいものです。
毎月お金が入ってくるがヒマ…。毎日時間を持て余すというものは苦痛なものです。考えただけでもゾッとします。
働くということは、人にほどよいストレスを与えてくれるものなのです。
サラリーマンが嫌なら、FIREの収入を元にボランティア活動をしてみるのも面白いかもしれません。
FIREを成功させたい。
その決意をするのは立派ですが、その先をどうすればいいのか?を慎重に考えることが一番必要ではないでしょうか?